女性協議会運営委員学習会を開催しました
県連女性協議会(田中利恵子会長)は、8月5日、群馬県ぐんま男女共同参画センター研修室において運営委員学習会を開催しました。運営委員学習会は、毎年この時期に開催しているものですが、今年はこの4月から着任となった群馬県ぐんま男女共同参画センター石井富美代所長を招き、男女共同参画の歴史、群馬県の状況や施策等について学びました。
運営委員学習会には、運営委員、事務局9名が参加しました。学習会に先立ち、田中会長から梅雨明け後の猛暑にともなう体調管理の大切さや石井所長を迎えての学習会などにふれてあいさつがあり、藤原副会長の進行により学習会に移行しました。
石井所長は、本年4月より現職に就任したこと、職歴として県立女子大学での勤務経験や労働政策課で男女共同参画推進に携わってきたことなどを紹介し、講演に入りました。■学習講演:「男女共同参画の歴史と群馬県男女共同参画の現状」(要旨)
群馬県ぐんま男女共同参画センター所長 石井富美代 氏
(1)男女共同参画について
- 男女共同参画社会(=ジェンダー平等社会)とは、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できる社会のことである。
- 平成11年男女共同参画社会基本法、平成28年女性活躍推進法、平成30年政治分野における男女共同参画の推進に関する法律などの法整備が進んだ。
- 国の施策として男女共同参画基本計画が平成12年より閣議決定され、現在は第4次基本計画を策定し施策が進められている。
(2)男女共同参画の現状
- 国際比較では、日本は教育分野と保健分野では一定の水準にあるが、経済分野と政治分野で大きく遅れており、2019年12月に発表されたジェンダーギャップ指数では153か国中121位であった。
- 日本の就業者の女性割合は他国と変わらないが、管理職の女性割合は低い。
- 群馬県では、農業委員の女性割合が全国6位となっている一方、市町村審議会等委員、自治会長の女性割合が全国最下位、県議会議員、町村議会議員の女性割合も40位台と低くなっている。
- 群馬県では、働く女性は全国平均に比べて多い。しかしながら、パート等の非正規で働く女性が多い。
- 昨年の県民意識調査では、「男性の方が優遇されている」と感じる割合が依然として65.4%を占め、家庭内の役割分担についても「男女がともに担うべき」と考える人の割合は高いが、現実では「主たる収入」は男性が分担し、それ以外の家庭内の役割を女性が主として分担しているケースが多い。
(3)群馬県の取組の方向性
- 平成13年「ぐんま男女共同参画プラン」策定、平成16年「群馬県男女共同参画条例制定、平成21年「ぐんま男女共同参画センター(愛称:とらいあんぐるん)」設置、平成28年「群馬県男女共同参画基本計画(第4次)」策定
- 男性中心型労働慣行の変革、政策・方針決定過程等への女性の参画拡大、職域の拡大、チャレンジ支援などの視点で施策を行っている。
(4)男女共同参画・女性活躍のための群馬県の施策
- ぐんま男女共同参画センター主催等事業(活動支援、学習・研修、情報提供、相談事業、調査・研究)
- 群馬県各課の施策として、女性リーダー交流会(管理職の増加)、ジョブカフェ・マザーズ(再就職支援)、女性の起業支援(女性のチャレンジ支援)、群馬いきいきGカンパニー認証制度(働きやすい職場づくりと女性活躍推進)、ぐんまの育ボス養成塾(群馬発のキーワード)など。
- 多くの人に群馬に来てもらいたい、群馬に住んでみたいと感じていただきたいとの気持ちで取り組んでいる。一般県民にもこの視点で男女共同参画の考え方を共有していきたい。
講演を聞いた運営委員から、「所長の経験にもとづいて具体的にお話があり、とても分かりやすかった」「男女共同参画というと固いイメージだったが、ジェンダー平等と同じ意味だと知ることができてよかった」「育ボスが群馬発だったことがわかった」などの意見、感想が出されました。