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群馬県生活協同組合連合会
〒371-0847
群馬県前橋市大友町 1-13-12
学校生協会館 3階
TEL 027-212-0152
FAX 027-212-0153

設  立: 1958年10月30日
会  長: 大貫 晴雄
会 員 数: 14組合
     (他に準会員1)
組合員数: 約77万1千人
     (2022年度末現在)
総事業高: 約863億円
     (2022年度)

 

県生協連ニュース

群馬県生協連・新着情報とお知らせ

県連女性協が「地球温暖化問題」で学習会を開催
2009-05-01
群馬県連女性協議会・県連創立50周年記念事業実行委員会共催
組合員学習交流会「地球温暖化の危機とは? どうしたら解決できるのか」を開催
講師 山本良一先生(東京大学生産技術研究所教授)
 
 群馬県生協連女性協議会(林かの子会長)は4月4日(土)、県連創立50周年記念事業実行委員会との共催で、地球温暖化を科学の視点から正しく理解し、社会や地域でどうすれば良いのかを学ぼうと、東京大学生産技術研究所教授で地球温暖化問題に詳しい山本良一先生(写真)を講師に招いて、『地球温暖化の危機とは?どうしたら解決できるのか』と題して学習交流会を開催しました。学習交流会には140名の組合員や役職員が参加しました。
 
 組合員学習交流会は、共同参画とは直接結びつかなくとも組合員の関心の高いテーマを選び毎年この時期に女性協議会が開催しているもので、「子育て」「教育」「食」「農業」などを学習してきました。女性協運営委員会では、今年度のテーマを「地球温暖化問題」としようということになり、日本生協連が開催した「コープ環境フォーラムin東京」での山本良一先生の講演が話題となり“群馬でもたくさんの組合員に聞いてもらいたい”と、今回の企画になりました。
 
 講演は、「地球温暖化は、世界で起きていることを厳しく認識し、直ちに行動を起こせばまだ解決できるということを、科学者として最初に申し上げます。」という言葉から始まりました。山本先生には1時間半の講演のあと、会場からの質問に答えていただきました。
(以下、講演の要約をご紹介します。)
 
 今のままでは、私たちの子供や孫の世代は生涯をあてて“気候戦争”と闘わなくてはならなくなる。金融崩壊は適切な政策で努力すれば回復が可能だが、環境崩壊はひとたび起こると取り返しがつかない。
 
 ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、オーストラリアは軒並み、2050年までに温室効果ガスの8割削減目標を立て、日本も6~8割の削減を表明した。だが、それだけでは間に合わない、温暖化問題を安全保障の問題ととらえ、優先課題にしなければ解決できないという認識が、この2年間で全世界に広がっている。だが日本の国家リーダーは、チームマイナス6パーセントという“竹槍作戦”をやらせている(温室効果ガスをCO2換算で490億トン放出しているのに、わずか10億トンの削減でごまかそうというのが京都議定書である)。日本には砂漠がない、氷河もない、熱帯雨林もない、日本は恵まれた状況にあるために世界で起きている異常が見えていない。
 
 ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、オーストラリアは軒並み、2050年までに温室効果ガスの8割削減目標を立て、日本も6~8割の削減を表明した。だが、それだけでは間に合わない、温暖化問題を安全保障の問題ととらえ、優先課題にしなければ解決できないという認識が、この2年間で全世界に広がっている。だが日本の国家リーダーは、チームマイナス6パーセントという“竹槍作戦”をやらせている(温室効果ガスをCO2換算で490億トン放出しているのに、わずか10億トンの削減でごまかそうというのが京都議定書である)。日本には砂漠がない、氷河もない、熱帯雨林もない、日本は恵まれた状況にあるために世界で起きている異常が見えていない。
 
『暖かくなって何が悪いの?』と言う人がいる。産業革命以降大気の温度が0.74℃上昇したため、佐渡でみかんが栽培できる、北海道でコシヒカリが生産できる、イギリス南部がワインの産地になった・・・などと。しかし悪い事の方が圧倒的である。2.6℃上昇すると、海面水位が52cm上昇、20億人が水不足に、栄養失調・下痢・感染症が増大、1500万人が洪水にさらされる。3℃上がったら環境崩壊、そして文明崩壊が起こる。地球温暖化とは莫大な熱エネルギーが地球表面に溜まってしまうことなのだ。
 
 ひとたび大気中に放出されたCO2は、100年後にも3分の1が残り、1000年後にも5分の1が残って地球を温暖化し続ける。
 
 こういう中で温暖化は加速から暴走の勢いに変わろうとしている。このまま温暖化を許すと2050年までに3℃を超え環境崩壊・文明崩壊まで行ってしまう。だから地球の表面温度の上昇を2℃までに抑えなくてはならない、と世界の科学者は見ている。
 
 2℃以下に抑えるためにはこれからの20年間で何をしたら良いのかを、国際エネルギー機関(IEA)が提案した。あらゆる政策を導入し、あらゆる革新的な技術を導入する必要があるのだ。答えは、①CO2を集めて海の中に沈める装置(CCS)を460基建設する、②原子力発電所を235基建設する、③省エネルギーを年率2%ずつ果たしていく、④水力発電は2倍に増やす、⑤バイオマスは10倍にする、⑥風力発電は20倍に増やす、⑦地熱発電は4倍に、⑧太陽光発電は130倍に増やす。こうして20年後に、電力の中で再生可能エネルギーで発電した内訳を40.2%にすれば、2℃以下、450ppm以下に抑制することができる。これらは容易ならざる事ではあるが、不可能ではない。
 
 国際社会は低炭素社会に向けて急速に動き出している。エコイノベーションによって地球温暖化に立ち向かうことができる。2050年までの温度上昇を2℃以下に抑えるために4800兆円かかるが、新しい技術や産業が生まれてくる。グリーン革命は新たな経済革命のエンジンである。昨年の経済危機以降は、環境エネルギー革命をテコにして経済を再建させるグリーンニューディールということが注目されている。
 
 いま断固たる行動をとれば我々は生き延びることができるというのが、現在の科学者が考えているところである。
講師 山本良一先生
講師 山本良一先生
アメリカのマスロウスキー教授が昨年発表した論文を紹介。北極海に浮かぶ氷の面積が、2013年にゼロになる可能性があるという。
アメリカのマスロウスキー教授が昨年発表した論文を紹介。
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